EXHIBITION

橋本康彦 木彫展 Ⅴ 第5回

会期・開廊時間 
2025年
11月8日(土)- 11月24日(月・祝
11:00 – 18:00

November 8 – 24, 2025
closed on Wednesday

水曜 休廊 11.12/19

橋本 康彦(はしもと やすひこ)
1954 福島県いわき市に生まれる
1979 澤田政廣に師事 高村光雲一門となる
1990 メリーランド美術大学客員芸術家(国際交流基金人物交流)
    不動明王立像 建立(アメリカ・ニュージャージー州)
    ベクトン・ディッキンソン本社に設置
2017 ヒロ画廊(和歌山県)個展(2019、2021、2023 開催)
2017 城崎温泉西村屋ホテル招月庭うさぎ 制作
2018 阪急百貨店うめだ本店 個展
2020 布忍神社(大阪府松原市)御神像 制作
2022 妙源寺 (山梨県中巨摩郡) 聖観音像 制作
2023 二宮神社(兵庫県神戸市) 雲の神殿 奉納

木肌に宿る、神々と人の物語
私どもが初めて出会った際は、大阪府・千早赤阪村で作品制作を行われていた橋本康彦。現在はアトリエを滋賀県に移され、より充実した作家活動を行われています。ヒロ画廊では5度目の個展になります。ここ10年の取り組みでは「鳥獣戯画」、鬼才「河鍋暁斎」、鳳凰や朱雀をメインとした「霊獣」など、多岐に渡りモチーフを展開して、多くの作品を制作・発表されてまいりました。

この度発表されますのは「神話」。日本神話には、自然や命のあり方を映す物語が数多く伝わっています。なかでも橋本がメイン作品に据えた「コノハナサクヤヒメ」と「ニニギノミコト」の結びつきは格別です。岩のように永遠を象徴する姉を退け、花のように美しく儚い妹を妻に迎えたことで、人の命は限りあるものとなった―そんな神話は、私たちの生の姿そのものを示しています。

橋本は、近代木彫の巨匠・高村光雲の流れを汲む木彫家です。受け継がれた伝統の技と現代的な感性とを重ね合わせ、木肌から立ち上がる気配を通じて、「今」に息づく神話を形にしています。

画廊のある和歌山の地は、熊野の山々や高野山に象徴されるように、古来より神話や信仰と深く結びついてきました。この地に根差す画廊で作品に近づくことは、神話を遠いものではなく「私たちの暮らしに続く物語」として感じることにつながります。

木彫ならではの温もりと迫力に触れながら、古代から続く物語の奥行きを感じていただければ幸いです。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

ヒロ画廊 代表 廣畑政也