カントリーサイド

グラハム・クラーク作品を店内に飾られている、和歌山県橋本市のベーカリーカフェ・カントリーサイドさん。店長の奥さま・冷水さんにお話しをうかがいました。

—ヒロ画廊に来ていただいたきっかけというのは?

冷水 国道370号線の大きい道路から画廊に行く角に看板が立っているじゃないですか、あれでずっと気にはなっていました。息子のサッカーの送迎で約4年間、週4日は看板の前を車で通っていて「今、誰の展示をしているんだろう?」って。なかでも、クラークさんの文字が印象的で「1度は見てみたいなぁ」とずっと思っていて、一昨年に初めて伺いました。それまでは、画廊って「なんか高尚な世界で縁が無いのでは」と思っていましたが……行ってみるとホッと出来たり、絵の細かい説明を聞けるんだなぁ、って。だから、最初はヒロさんが描かれている看板の文字に興味が引かれて行きましたね(笑)。

—店内奥の左側に「りんごの散歩道」、右側には「ジョージ&ドラゴン」を飾られています。

冷水 最初はヒロさんが店内のバランスを考えた高さで取り付けて下さったのですが、しばらくして店長が「描写のしっかりした絵だから、もう少し下げてお客さんにじっくり見てもらいたい」と言って、その後に少しだけ高さを下げたんですよ。というのも、パンを注文されて待たれたり、カフェを召されて座っているお客さんが「こんなところにこんな動物がいる」なんて絵の描き込みをしっかり見て下さっているんですよね。あと、最近は、高野山に行かれる観光客の方や外国人の方も橋本駅で降りられて、お店に立ち寄られることが増えてきたんですよね。そうすると、海外の家族連れの方がクラークさんの作品をご存知だったみたいで、ご家族で盛り上がったりされて……こういうこともあるんだなぁ、としみじみ思いました。

—それまでに絵画作品を購入されたご経験は?。

奥さま 今までなかったんですよね。インテリアとしてポスターを貼ることはありましたが……。 本当に「絵画なんてとても……」という感じだったんですがクラークさんには惹かれました。でも店内に飾って、たくさんの方に見ていただけるっていうのは、本当にありがたいんですよね。私たちもすごく気に入って店内に入れた作品に共感していただけるのは。今まで全く話したことのないお客さんにも、「この作風、どこかで見たことあるわ」「この絵、クラークさんでしょ」って言われますね。

—カントリーサイドさんは、今年の5月で創業30年を迎えられました。

冷水 お店の業態としては、「パーン!」と盛り上がる体制ではなくて、一時的に上手くいったものでも改良して、30年コツコツと毎日を積み上げてきたから続けてこれたのかなと思っています。

—シュガースティックやベーコンエピは子どものころから好きでよく食べています。

冷水 シュガースティックは創業当初からあるので……そう考えると30年も同じ商品があることになるので、それはすごいことなんだと思うようになりました。最近では、近くの高校に通われていた方で、お子さんを連れて親子二代で来られるお客さんもいらっしゃるようになりました。「お母さん、高校の頃ここに来ていたのよ」って言って、小学生のお子さんを連れてパンを食べて、お茶を召されてゆっくりされていって。そういう時の流れというのは……うれしいですよね。そんな場所にやっとなったんだな、って思えるようになりました。自分がずっと気に入っていたお店でも久々に行って無くなっていたりすると、当然さみしいじゃないですか? だから、30年続いた今年……行けるところまで頑張りたいと今は思っていますね。

カントリーサイド
〒648-0065 和歌山県橋本市古佐田2-4-19
TEL 0736-34-1451
ヒロ画廊より車で7分 南海高野線 橋本駅より徒歩1分

無添加の国産小麦と天然酵母にこだわり、体にやさしい安心して食べられるパン作りを心がけられています。2017年5月で創業30年を迎えられました。